義務を表す must と have to は本当にイコールで結べるのか?

助動詞

must と have to ってイコールじゃないの?

Hello everyone!

ご覧いただきありがとうございます。
TOEIC 実験記の Delph (デルフ) です!!

今回は「must と have to」にスポットを当てて
いろいろと実験していこうと思います。

セータ君
セータ君

たしか、どっちも「~しなければならない」っていう意味だったよね?


そうですね!

他にもいろんな意味がありますが、

must も have to も、使われる代表的な意味が
「~しなければならない」です。


ただ、この二つは同じように見えて
ちょっとニュアンスが違ってくるのですが
覚えていますでしょうか?

セータ君
セータ君

うーん…。そういうのは聞いたことはあるけど、どう違うんだっけ…?


そんな方のために、
今回は義務を表す must と have to の
色々な違い
を見ていきたいと思います。

どう違うのかはもちろんのこと、
その他にも気を付けるべきところも
書いていきたいと思いますので、

ぜひとも最後までご覧いただければ幸いです。


それでは始めていきましょう!
Now let’s start!

must のイメージは「圧力」

それでは最初に must から見ていきたいと思います。

もちろん「~しなければならない」という義務の意味がありますが、
これには「圧力」のイメージが含まれています

セータ君
セータ君

「圧力」? 一体どういうこと?


これだけだと分からないと思うので、
例を挙げてみたいと思います。

Look at the time! I must go!
(もうこんな時間! 行かないと!)


こんな感じで

とある行為に駆られて「どうしても〇〇しないといけない」
という状況の時に must を使います。

セータ君
セータ君

なんか、自分に圧力をかけている感じがするね!


そうですね!

見えない圧力が自分自身にかかって、
「〇〇しなきゃ!」と行動を駆り立てるイメージ

must にあります。

これを相手に使うと、相手に「圧力」を与えることになり
命令文と同じくらいのかなり強い義務になります。

must のイメージを発展させると?

この「圧力」というイメージがあれば
must にある他の意味が分かるようになってきます。

少し発展させていきましょう。

~してはいけない(禁止)

こちらは学校でも習っていると思いますが、

must not (mustn’t) と否定文にすると
「~してはいけない」という禁止のニュアンスが生まれます。

こちらも「圧力」がかかっているので、
「~するな」という命令文と同じ強さを持っています。

セータ君
セータ君

「~してはいけない」だとちょっと弱い感じがするから、「~しちゃダメ!」のほうがよさそうかな?


そんな感じでいいと思います!

~しなくちゃ!(強いオススメ)

「圧力」というと、ネガティブなイメージかもしれませんが、
時にはポジティブな一面もあります。

相手にオススメするときにも must が使われますが、
単なるオススメではありません。

「この映画すごく面白いから、見に行きなよ!」
「この本すごくいいよ!わかりやすいから!」


のような強いオススメのニュアンスになります。

セータ君
セータ君

へぇ~! must のもつ「圧力」って、そういう風にも使えるんだね!

~に違いない(強い確信)

また、 must には「~に違いない」という
強い確信があるときに使われます。

この用法は高校の時に習ったかと思います。

You must be delighted!
(すごく嬉しかったでしょ!)


もちろん「嬉しかったに違いない」と訳しても
問題ありません。

「もう嬉しい以外は考えられず、それで間違いない」
という結論は圧力がかかっている感じがします。


「嬉しくならねばいけない」という
義務ではないことに注意してくださいね!

セータ君
セータ君

こうやって見ていくと、たしかに must には「圧力」のイメージがあるね!

have to

それでは、一方の have to はどうなるのでしょうか?

こちらも「~しなければならない」という意味ですが、
must とは若干ニュアンスが違ってきます。

must は主観的な「~しなければならない」
というニュアンス
なのに対し、

have to は客観的な「~しなければならない」
というニュアンス
になります。

セータ君
セータ君

客観的っていうと、具体的にどんなものがあるの?

たとえば、

「学校は 9 時に始まるから、そろそろ起きないと。」
「規則で長髪は禁止されているから、髪を切らないと。」


のように、ルールや規則だったり

「明日テストがある、何かやる必要がある」といった
外的な要因からそうしなければならないというときに
have to が使われます。

セータ君
セータ君

must のように自分の意志は入っていないんだね。外部からの圧力がかかっている感じなのかな?


そう考えてもいいかもしれませんね!

では、ここでも must と同じように
色々と発展させていきましょう。

~する必要がない(不必要)


この辺りは学校でも習ったかもしれませんが
not have to で「~する必要はない」という意味になります。

肯定文では「~しなければならない」と同じような意味だったのに、
must not (禁止)とはずいぶんと違うニュアンスです。

セータ君
セータ君

どうして not have to が不必要になるんだろう?


ここでもう一度、 have to のニュアンスを思い出してください。

have to は must とは違って

規則やルール、必要性といったもので
「しなければならない」
というものでした。

それを not で否定すると、
どんなニュアンスになりそうですか?

セータ君
セータ君

えーと…。「必要性がある」から「しなければならない」のが have to だから、それを否定すると「その必要性がない」…。なるほど! だから「不必要」ってことなのか!!


そうですね!
そう捉えると分かりやすいかと思います!

~に違いない(強い確信)

must に強い確信のニュアンスがあるように、
have to にも強い確信のニュアンスがあります。

セータ君
セータ君

あれ? 意味が同じ??


確かにそう思いたくなりますが、
これも若干ニュアンスが違ってきます。

ただ、思っているほど難しくありません。

must は「主観的」、have to は「客観的」
というニュアンスをそっくりそのまま当てはまれば
一発で解決出来ちゃいます!



強い確信を言うときの have to は
証拠のような客観的な裏付けがあって確信している
ときに使います。

それに対し、must は主観的なので
単に「そうに違いない」という話し手の強い推量ということだけで、
客観的にどうこうというニュアンスはありません。

セータ君
セータ君

へぇ~! そんな違いがあったんだ!! たしかにイメージで考えればすんなり行くね!!

おわりに

今回は「must と have to」について
少し深く見ていきました。

must は「主観的」、have to は「客観的」
ということは聞いたことがあるかもしれませんが、

実際にどう使うのかはあまりピンとこない
というケースは少なくないと思います。

TOEIC のPart 5 では、「助動詞の後ろは動詞の原形がくる」
ということだけ覚えていれば正解できるので、
わざわざここまでする必要はないと思います。

ですが、そういう隠されたニュアンスを理解できると、

TOEIC の文章やリスニングのスクリプトが
単なる文字の羅列や意味のつなぎ合わせから昇華されて
鮮明な絵が思い浮かぶようになります。

そうすると、より深く英語の理解ができるようになり
スコアアップが期待できるようになります。

ぜひともイメージやニュアンスを捉えて
より深く英文を理解できるようになってくださいね!

それでは、今回はここまで!
See you next time !
Bye-bye!

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