文の中に文が埋め込まれている? ネクサスの関係とはいったいどういうものか

不定詞

「ネクサス」っていったい何?

Hello everyone!

ご覧いただきありがとうございます。
TOEIC 実験記の Delph (デルフ) です!!

今回は「ネクサス」をテーマにして
いろいろと実験していこうと思います。

セータ君
セータ君

ネクサス?聞いたことがないなぁ…


おそらく、聞いたことがないというのが大半ではないでしょうか。


意外とよくわからない? 意味上の主語とは一体何なのか 応用編
の記事で少し触れた程度ではありますが、

今回は、そんな「ネクサス」にスポットを当てて
見ていこうと思います。

この考え方ができるようになると
SVOC の対応力が一気に上がりますので
是非とも身につけてみてください!

この記事を見ると
次のようなことが分かるようになります。

  • 「ネクサス」とは何か
  • 様々な形の SVOC におけるネクサスの使い方


是非とも最後までご覧くださいね!


それでは早速始めていきましょう!
Now let’s start!

ネクサスとは?

まずは、「ネクサス」というのは一体何なのか
見ていきたいと思います。

「ネクサス」は「連結」「連鎖」みたいな意味がありますが、

デンマークの言語学者イェスペルセンという方が提唱した
意味上の主述関係の概念です。


セータ君
セータ君

うーん…。そう言われてもピンとこないなぁ…。



たしかにこの説明だけではピンとこないかもしれませんが、
実は SVOC の文型で必ずと言っていいほどネクサスを見かけます

セータ君
セータ君

えっ!? それってホント!?



意外とよくわからない? 意味上の主語とは一体何なのか 応用編
実は奥が深い! SVOC の意外な使われ方とは で紹介しているのですが、

ここで一通りまとめておくと
「O と C には意味上の主述関係が成り立っている」
というものでした。

すなわち、SVOC には
「S が V する」というメインの主述関係のほかに

「O は C である」や「O が C する」という
もう一つの主述関係が潜んでいる・・・・・・・・・・・・・・・のです。

そして、この「O は C である」や「O が C する」という
もう一つの主述関係のこと「ネクサスの関係」と呼びます。

SVOC には次の二つの主述関係が潜んでいる

  1. 「S が V する」
  2. 「O は C である / O が C する」(ネクサスの関係)



SVOCは「O を C にする」と訳す
とよくある参考書では書かれていますが

先ほどのネクサスの関係を考慮して訳すなら、
「O が C である / O が C する」状態を「S が V する」
といった感じになるでしょうか。

やや回りくどい訳し方にはなりますが、

この考え方で見ていくと
SVOC の汎用性が大幅に広がることが分かります!

文の中に文が埋め込まれている?

先ほどのネクサスの関係を考慮した訳で
「O が C である / O が C する」状態を「S が V する」
と記載しましたが、

「O が C である / O が C する」状態を 
の部分を「S が V する」の間に挟み込んで

「S が「O が C である / O が C する」状態を V する」
としても意味はさほど変わりません。

さて、この文章をよく見てみましょう。
この文章、文の中に文が埋め込まれているように見えませんか?

セータ君
セータ君

確かに! SV の文の中に OC が埋め込まれているね!


SVOC では、「OC 間のネクサス関係」に加えて
「文が埋め込まれている」という考え方も非常に有効ですので

この二つの考え方はぜひともマスターしておきたいところです。

O = C の限界

セータ君
セータ君

そういえば、なんでこういう考え方をするのがいいの? 別に O=C でも良さそうな気がするけど…?


確かに、こんな回りくどいものを覚えるなら
O = C でも良さそうな気がします。

しかし、O = C という考え方には限界があり
応用があまり効かないという大きなデメリットがあるから
です。

意外とよくわからない? 意味上の主語とは一体何なのか 応用編
実は奥が深い! SVOC の意外な使われ方とは でも紹介していますが、

C を置くことが出来るのは次のようなものがあります。

  • 名詞・形容詞
  • to 不定詞
  • 原形不定詞
  • 現在分詞
  • 過去分詞


C が名詞や形容詞であれば当てはまるかもしれませんが、
to 不定詞や原形不定詞、現在分詞、過去分詞 の場合
O = C という考えを当てはめるとかなりの違和感が出てしまいます。

セータ君
セータ君

なるほど…。O = C の考え方だと応用が利かないんだね…。

OC をどうやって文の形にするのか?

「O と C にはネクサス関係がある」
「文の中に文が埋め込まれている」


そうはいっても、どのように OC の部分を
文の形にすればいいのでしょうか?

これが分からないと納得はいかないと思いますので、
早速見ていきたいと思います。

まず最初のステップは C がどんな形であれ、
まずは文中の O と C を取り出すところから始まります。

そしてこの先のステップから分かれていきます。
それぞれどのように文を作っていけばいいのでしょうか?

例文を挙げながら身につけていきましょう!

名詞・形容詞

まずは、 C が名詞か形容詞の場合から見ていきましょう。

例文をご覧ください。

He left the door open.
(彼はドアを開けっぱなしにした)


いたってシンプルな SVOC ですね!

O が the door、 C が open というのは
お分かりになるかと思います。


C が 名詞や形容詞の場合は次のような
二つのステップで出来上がります。

  1. O と C の間に時制を合わせた be 動詞を挿入する
  2. O を主語の形、すなわち「主格」に直す


実際にやってみると次のようになります。

He left the door open.
(彼はドアを開けっぱなしにした)

  • O と C を取り出す
    the door open

  • O と C の間に時制を合わせた be 動詞を挿入する
    the door was open

  • O を「主格」にする
    the door* was open
    *名詞は「目的格」でも「主格」でも形は同じ


すなわち、この例文をくどく訳すとなると

「ドアが開いていた(the door was open)」という状態を
「彼は放っておいた (He left)」


という事になります。

セータ君
セータ君

ボク思ったんだけど、leave って「放っておく」という意味だと他動詞になるから、He left + [the door was open] みたいな構造になりそうじゃない?


なかなか鋭いですね!

「the door was open を目的語のカタマリと見なす」という構造なら、
文の中に文が埋め込まれている感じがよく出ていると思いますよ!

ただ、文の中に述語動詞は 1 つしか入らないので
そのままの形では埋め込むことが出来ません。

そこで、先ほど紹介したステップと逆方向をたどってやっていけば
SVOC の形で埋め込むことが出来ます。


セータ君
セータ君

つまり、[  ] 内の主語を目的格に変えて、be 動詞を消せば OK ってこと?


その通りです!

若干長めの説明になってしまいましたが、

これ以降 C がどんな形になっていても
やり方は先ほど紹介したものとほとんど同じになります。

不定詞 (SVO to do)

SVO to do という語法で暗記しているかもしれませんが、
これもネクサスの考え方を使うとスッキリします。

例文を見てみましょう。

She asked me to open the window.
(彼女は私に窓を開けるよう頼んだ)


ask O to do という TOEIC の頻出表現ですね。
これにはどんな文が埋め込まれているでしょうか。

この構文を文型として分けるというのは
聞いたことがないと思うので慣れないかもしれませんが、
繰り返し見てマスターできるようにしましょう!

O は me で C は to open the window
になりますが、これを文章の形に直していきます。

C が to 不定詞の場合、
次のような二つのステップで出来上がります。

  1. C の中の「to + 動詞の原形」を 「will 動詞の原形」に変える
  2. O を主語の形、すなわち「主格」に直す


セータ君
セータ君

不定詞を 「will + 動詞の原形」に変える というところだけ変わってて、あとは一緒なんだね!


先ほどの例文でやってみると
次のようになります。

She asked me to open the window.
(彼女は私に窓を開けるよう頼んだ)

  • O と C を取り出す
    me to open the window

  • C の中の「to + 動詞の原形」を 「will 動詞の原形」に変える
    me will open the window

  • O を「主格」にする
    I* will open the window.
    *me は「目的格」なので、「主格」の I に書き換え


to は「これから~する」という「未来志向」があります

よって、OC に埋め込まれている文の中には
will を伴っていると考えたほうが妥当ではないでしょうか。

ネクサス関係を含めて訳すとするなら
「私がこれからドアを開ける」という状態を「彼女は頼んだ」
という感じになりそうですね。

セータ君
セータ君

これは、She asked + [I will open the window] という構造になりそうだね!


そうですね!

O = C という考えではスッキリしなかった to 不定詞の場合でも、

ネクサス関係や文の埋め込みという考え方を使えば
かなり腑に落ちる気がしませんか?

原形不定詞

次は、原形不定詞の場合を見ていきましょう。

C に原形不定詞をとる動詞といえば
使役動詞知覚動詞がすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。

  • 使役動詞
    Let me check my schedule.
    (スケジュールをチェックさせてください)

  • 知覚動詞
    I saw Steve cross the street.
    (私はスティーブが横断歩道を渡る一部始終を見た)


OC 間の文を作る方法は

  1. O を主語の形、すなわち「主格」に直す


これだけでできちゃいます。

セータ君
セータ君

これはすごく簡単にできるね!


よって、

例文の使役動詞には
I check the schedule という文が埋め込まれていて
Let + [I check the schedule] という埋め込みの文構造、

知覚動詞には
Steve crossed the street という文が埋め込まれていて
I saw + [Steve crossed the street] という埋め込みの文構造に
なります。

セータ君
セータ君

そっか! 動詞の時制は変わるんだったね!



ネクサス関係や文の埋め込みという考え方、
だんだん慣れてきましたでしょうか?

現在分詞・過去分詞

最後に現在分詞・過去分詞の場合を見ていきましょう。

  • 現在分詞
    We’re sorry to keep you waiting for a long time.
    (長い間お待たせしてすみません)

  • 過去分詞
    I had my computer fixed.
    (私はパソコンを修理してもらった)


OC 間の文を作る方法は、
C が 名詞や形容詞の場合と同じように

  1. O と C の間に時制を合わせた be 動詞を挿入する
  2. O を主語の形、すなわち「主格」に直す


この二つのステップで出来上がります。


これまでやってきたことを思い出しながら
OC 間での文を作ってみましょう!


セータ君
セータ君

現在分詞の方は you are waiting for a long time が埋め込まれていて、過去分詞の方は my computer was fixed が埋め込まれているのかな?


そのとおりです!

現在分詞・過去分詞では
O が「する側」なのか「される側」なのかを見極めて
C を適切な形にする必要があります。

混同しないように気を付けましょう!

おわりに

今回は「ネクサス」「文の埋め込み」
見ていきました。

「ネクサス」や「文の埋め込み」という考え方は、
参考書ではあまり見かけないので最初は難しいかもしれません。

しかしながら、この考え方ができるようになると
今まで分からなかった O = C の限界を超えて
SVOC がさらに深く分かるようになってきます。

繰り返し見て、ぜひとも「ネクサス」と「文の埋め込み」の考え方を
マスターしてみてくださいね!

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「役に立った!」
「疑問が解決してスッキリした!」
…etc

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それでは、今回はここまで!
See you next time !
Bye-bye!


セータ君
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