あれ?前置詞が二つ続いてる…? こんな形の受動態ってあるの?
Hello everyone!
ご覧いただきありがとうございます。
TOEIC 実験記の Delph (デルフ) です!!
今回は「受動態」をテーマにして
いろいろと実験していこうと思います。
受動態って「be 動詞 + 過去分詞」で、「~される」って訳すんだよね?
そうですね!
受動態に関しては
あえてその形! 受動態に潜む隠れたニュアンスにて
受動態の基本について書きました。
今回は少しレベルアップをして、
見た目が複雑そうな少しヘンな形の受動態を取り扱っていきます。
え~…。なんか難しそう…。
大丈夫です!
作り方は今までやってきた受動態と変わらないです。
作り方が変わらないという事は
何か特殊なことがない限りヘンな形にはなりません。
では、どんな時にそうなるのか
そのヘンな形の受動態に出会ったとき
なにを考えればいいのか
これから見ていきたいと思います。
それでは始めていきましょう!
Now let’s start!
見た目がヘンな形の受動態
見た目がヘンとは言っても、
どうヘンなのかは見ないと分からないと思うので
早速例文を挙げてみたいと思います。
This security problem must be dealt with by the professionals.
(このセキュリティー問題は専門家によって扱われなければならない)
あれ? この文なんかヘンだよ…? with も by も前置詞なのに二つ並んでるけど…?
確かに、with と by はいずれも前置詞なので
その前置詞が二つ続いてるのは違和感があって
なんかヘンな受動態の文だなと思いますよね!
しかし、この受動態の文は正しいのです。
えっ!? これ正しいの!?
では、なぜこのようなヘンな形の受動態の文が
正しいといえるのでしょうか?
能動態にすれば受動態の構造が見えてくる
先ほどの例文のような受動態は、
どうやったらその構造が見えてくるのでしょうか?
その攻略のカギは「能動態に直してみる」というものです。
え? それだけでいいの?
試しに、先ほどの例文でやってみましょう!
This security problem must be dealt with by the professionals.
(このセキュリティー問題は専門家によって扱われなければならない)
ここで、受動態の作り方を簡単におさらいすると
- 動詞は「be 動詞 + 過去分詞」に変換
- 能動態の目的語を主語へ
- 能動態の主語を、前置詞 by をつけて文末へ
でしたね。
という事は、この逆のことをすれば受動態を能動態にすることができるんだね!
そうですね!
実際にやってみましょう!
★ 受動態
This security problem must be dealt with by the professionals.
★ 能動態
The professionals must deal with this security problem.
1. 受動態の be 動詞 + 過去分詞 を、 適切な動詞の形へ
2. 受動態の主語を、能動態の目的語へ
3. 受動態の by + 動作主 を、能動態の主語へ
能動態へ戻してみると、この with は
deal with (~を処理する)という熟語の前置詞であると推測できます。
これが受動態になる時、目的語が前に出て
this security problem must be dealt with…
という「文末に前置詞が残った形」になり、
そこへさらに「by + 動作主」が with の後についた結果
with by という前置詞が二つ続いたヘンな構文になった
というわけです。
なるほど~! deal with みたいな熟語の形が動詞になっている場合は、そんなことが起こるんだね!今度から注意してみよっと!
ヘンな形の受動態になる動詞は?
ヘンな形の受動態になる動詞は
他にもあるのでしょうか?
先ほどの例文で挙げた deal with のような熟語は
「句動詞」と呼ばれています。
「句動詞」ってなに?
句動詞というのは
2 語以上でひとつの意味を表す句のことで、
次の 3 つに分けることができます
- 他動詞 + 副詞
- 自動詞 (+ 副詞 ) + 前置詞
- 他動詞 + 名詞 + 前置詞
まずは一つずつ見ていきましょう。
他動詞 + 副詞
call off (~を中止する)、stack up (~を積み上げる) 、
put off (~を延期する) などが挙げられます。
このグループの句動詞を受動態にするときは
単純に他動詞をとる目的語を主語に持っていくだけです。
間違って副詞までもっていかないようにしましょう。
★ 能動態
They called off the event due to heavy rain.
(大雨のため、彼らはそのイベントを中止した)
★ 受動態
The event was called off (by them) due to heavy rain.
(大雨のため、そのイベントは中止された)
「他動詞 + 副詞」はカタマリにして考えると分かりやすそうだね!
自動詞 (+ 副詞 ) + 前置詞
deal with (~を扱う)、look into (~を調べる)、
make up for (~を補う)、 look up to (~を尊敬する)
などが挙げられます。
これらを受動態にするときは、
先ほどと同様に「カタマリ」で動詞とみなして
前置詞の後の目的語を主語に持っていきます。
★ 能動態
The students in this class look up to Sally.
(このクラスの生徒たちはサリーを尊敬している)
★ 受動態
Sally is looked up to by the students in this class.
(サリーはこのクラスの生徒たちに尊敬されている)
これは deal with の例文で登場した 「前置詞が二つ続くパターン」の受動態だね!
他動詞 + 名詞 + 前置詞
pay attention to (~に注意を払う)、take care of (~を世話する)、
make use of (~を利用する) などが挙げられます
このグループの句動詞は
二通りの受動態の作り方があるのでちょっと厄介です。
一つずつ見ていきましょう
句動詞を「ひとカタマリ」として考える
一つ目は、先ほど見たような感じで
句動詞を「ひとカタマリ」として考えるパターンです。
★ 能動態
They make use of this technology in the food industry.
(彼らは食品業界でこの技術を利用している)
★ 受動態
This technology is made use of in the food industry.
(この技術は食品業界において利用されている)
あれ? 受動態の文に動作主の by them はつけなくていいの?
もちろん by them はつけてもいいのですが
省略されるケースがあります。
この例文の場合、this technology はかなり浸透していて
主語(動作主)が「明らか」なので、受動態でわざわざ言う必要がない
もしくは、 this technology にスポットを当てて強調したい
そんなニュアンスを出したい時に省略することができます。
句動詞の中の名詞を目的語とみなす
もう一つは、句動詞の中の名詞を目的語とみなす
パターンです。
つまり、「他動詞 + 名詞 + 前置詞」の中の名詞が
受動態の主語になって前に出ることもあります。
例として挙げた
pay attention to (~に注意を払う)、take care of (~を世話する)、
make use of (~を利用する) を使ってでやってみましょう!
分かりやすいように
受動態で使う be 動詞は現在形のみとします。
pay attention to ~ は Attention is paid to ~
take care of ~ は Care is taken of ~
make use of ~ は Use is made of ~
とそれぞれ変形します。
句動詞の中の名詞が抜けちゃってるから、一目見ただけだと元の句動詞が何なのか気づきにくいね…。
そうですね!
この作り方は他の句動詞にはなく、
見た感じ「句動詞には見えない」というパターンです。
「ひとカタマリ」だとなぜか合わないと感じたら
このパターンがないか考えてみましょう!
作り方の例として名詞は 1 語にしていますが、
どちらかというと great care や a lot of attention のように
形容詞または形容詞句を伴うパターンが多いです。
おわりに
今回は「受動態」の応用編として
少しヘンな形の受動態を見ていきました。
そのヘンな形の受動態になる原因は
動詞に名詞や副詞や前置詞がセットとなって
一つの意味を成している「句動詞」
というものでした。
この句動詞が受動態になると、
一回見ただけでは、違和感がある文になります。
そんな時は、能動態に直して考えてみると
いいかもしれませんね。
また、句動詞の中の名詞が受動態で前に出てきて、
見た感じ「句動詞に見えない」パターンもありますので
句動詞をひとカタマリで見る方法では意味が通らない場合
こちらも考えてみてくださいね!
それでは、今回はここまで!
See you next time !
Bye-bye!
コメント